本のレビュー

家具を作るときに参考にしている本を紹介します。

「シェーカー家具」ーデザインとディテールー 藤門弘訳

18世紀後半〜19世紀にかけてアメリカのニューイングランド地方で共同生活を営んでいたシェーカー教徒が使っていた家具を紹介する本です。特徴は装飾を排し、非常に実用的でシンプルであること。

軽量な椅子として有名なジオ・ポンティのスーパーレジェーラもシェーカーの椅子が元になっています。

この本は図面と写真で構成され、細かい継ぎ手なども描いてありとても参考になります。家具は「納まり」が命ですが無駄の無いシンプルな形です。その中にも職人のこだわりというか、工夫もされており、100年以上経った今も新鮮だなと感じます。

実用と関係ない部分でキレイに見せる工夫は装飾と紙一重なような気がします。これは私の考えですが機能を最優先してストイックに作ったものは本当にいいものかどうか疑問に思います。中にはアノニマスデザインのように改善されて続けて行き着いたいいカタチもありますが、巷に溢れているものたちは「美しいかどうか」という観点が抜けて「時間とカネ」が優先されて作られているような気がします。長く使いたいと思わせるものは結局美しいモノだと私は思います。

この本はひと手間を惜しまず、「よく考えてキレイに作る」原点に立ち返らせてくれる本です。

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棚板を取り付け

棚板を取り付けに行ってきました。

アールや飾り面を駆使してカントリー調の仕上げにしました。

カントリー調と言えばパインが多いですがここはあえて家具屋の独断と偏見でメープルを使わせてもらいました。白っぽく穏やかな木目で磨くと光沢の出る材料です。パインより固く粘りがある為、棚受けをかなり薄く仕上げることが可能。うまくいってよかった。1024_DSC_4524 1024_DSC_4535 1024_DSC_4532 1024_DSC_4526

家具の撮影

年末に製作したものを撮影させてもらいにいきました。

納品時にはまだ未完成だった外溝の工事も完了しており、すっかり住まいになっていました。

無垢をふんだんに使った和モダンなお部屋に合う家具です。

暗い色のウォールナットと薄い色のナラ、メープルの色使いが上手くいきました。

(施主さんの提案ですが、、、)

テーブルや洗面カウンターの一枚板は迫力があります。

今後の家、家具の成長が楽しみです。I様、ご協力ありがとうございました。

 

今回製作した家具の詳細をホームページの仕事のページを掲載しましたので宜しければご覧下さい。

耳付きダイニングテーブル

http://www.trick-for-treat.com/products/d_table02/

手洗いカウンター

http://www.trick-for-treat.com/products/handwash_counter/

こたつ

http://www.trick-for-treat.com/products/kotatsu_table/

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