本のレビュー

家具を作るときに参考にしている本を紹介します。

「シェーカー家具」ーデザインとディテールー 藤門弘訳

18世紀後半〜19世紀にかけてアメリカのニューイングランド地方で共同生活を営んでいたシェーカー教徒が使っていた家具を紹介する本です。特徴は装飾を排し、非常に実用的でシンプルであること。

軽量な椅子として有名なジオ・ポンティのスーパーレジェーラもシェーカーの椅子が元になっています。

この本は図面と写真で構成され、細かい継ぎ手なども描いてありとても参考になります。家具は「納まり」が命ですが無駄の無いシンプルな形です。その中にも職人のこだわりというか、工夫もされており、100年以上経った今も新鮮だなと感じます。

実用と関係ない部分でキレイに見せる工夫は装飾と紙一重なような気がします。これは私の考えですが機能を最優先してストイックに作ったものは本当にいいものかどうか疑問に思います。中にはアノニマスデザインのように改善されて続けて行き着いたいいカタチもありますが、巷に溢れているものたちは「美しいかどうか」という観点が抜けて「時間とカネ」が優先されて作られているような気がします。長く使いたいと思わせるものは結局美しいモノだと私は思います。

この本はひと手間を惜しまず、「よく考えてキレイに作る」原点に立ち返らせてくれる本です。

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