当店について

「100年」美しい家具

トリック・フォア・トリート は愛知県名古屋市近郊の瀬戸市で無垢材を使ったテーブルやキッチン、収納、食器棚などの制作している家具工房です。「おもてなしのためのカラクリ」という意味を持つトリック・フォア・トリートでは、お客様に喜んで頂けるようなちょっとしたアイデアや機能をプラスすることで他にはない独自のアイテムを作っております。制作においては基本を忠実に守り、木の特性や木目を生かしながら、末長くお使い頂ける飽きのこないアイテムを作ることを心がけております。お問い合わせフォームよりご連絡を承っておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

当店の家具や木への向き合い方やこだわりを綴った文章です。少し長いですがご一読頂ければ幸いです。

 

今の時代は低価格でデザインの良い家具が簡単に手に入るようになりました。私自身も工場ではカラーボックスを本棚にしたり、クローゼットではプラスチックの衣装ケースを使っています。当店の家具とそれらの家具は見た目にそれほど違いはないかもしれません。しかし、決定的に違うことが一つあります。その家具の「10年後」です。低価格帯の家具は新品の時にはとても綺麗ですが時間の経過と共に傷がついた部分の色が剥げて、小口に貼ったテープは剥離するかもしれません。そのような姿になった家具を愛着も持ち修理して使い続けるでしょうか。

当店の家具は10年後の方が新品のときよりも確実によくなっていると断言できます。それは本物の素材を使い、手間を惜しまず丁寧に作っているからです。

無色のオイルで仕上げた無垢の木の色は経年変化によりアンティークのような落ち着い色合いになります。何気なく手で触れているエッジの部分などは光沢を増します。細かい傷もオイルでメンテナンスしていくことで味わいに変わります。シンプルなカタチは時間がたっても古さは感じることはないでしょう。そして、場合によってはお子様と一緒に育ちながら、また次の代へと受け継がれていくことになるかもしれません。

そんなストーリーを思い浮かべながら日々制作しております。

◆メイキング映像

 

厳選した材料を使う

⑴最適な木材

家具を作る上で木材の質は出来上がりを左右するとても大事な要素の一つです。そこで良質な材料を信頼できる材木屋さんから仕入れるようにしています。また、同じ種類の木でも人の肌の色が違うように一つ一つ色や木目が異なります。そのため、テーブルなどの広い面を作る場合は色が揃うように必ず一本の木から取れた同じロットの材木を使うようにしています。

⑵選りすぐる

材料は実際に必要な量の1.5倍以上、多く仕入れるようにしています。一点ずつ木目や木の曲がり具合、色を見極めて、選び抜いた木で作るためです。適材適所で使い分けていきます。

 

 

ずっと使える家具に仕立てる

⑴変形しない家具

無垢の家具は反るとイメージをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?冬の乾燥している時期と梅雨のジメジメした時期と比べるとテーブルでは10ミリ近くサイズが変わったりしています。現代ではエアコンや冷房など空調機器により、温度や湿度の変化も大きくなりました。そのような環境で無垢の家具を使用するとどうしても反りが出やすくなります。

しかし、木の反りは作り方次第で抑えることができます。天板など広い面を作るときはネジなどで無理やりに反りを止めようすると割れの原因になるため、木が自由に動けるようにして、上手く反る力を逃してあげるように反り止めの加工を施しています。

 

⑵木目をよく見る

木目の出方は千差万別で一つとして同じものはありません。同じ一本の木の中でも木取りの仕方によって随分表情が変わってきます。木材同士を並べてはぎ合わせ大きな天板を作る場合、隣り合う木同士の木目を合わせていくことで自然な風合いの天板に仕上がります。家具の顔を決める大切な作業なので何度も並べ替えながら一番よい組み合わせを探っていきます。

 

⑶誤魔化しの効かないオイル仕上げ

当店でよく使う無色透明のオイル仕上げは木目や木の色みをはっきりと浮かび上がらせ、塗膜が非常に薄いため手触りも木そのものです。着色しない仕上げのため傷がついた際にも木の中身まで同じ色なので違和感がありません。木の微妙な色の違いなどがよくにわかり、磨きもしっかりしないとムラが出やすいですがしっかりと丁寧に作りこんだオイル仕上げの家具はしっとりとしていて格別に美しいと感じます。

 

デザインから製作まで一貫体制

・デザイナーであり、職人であることはとても大切だと感じます。デザインはいいけど、壊れやすい。丈夫だけどなんだか見た目がイマイチなど。原因はデザイナーと職人の意識の違いから起こることです。私自身もデザイナー時代に多くの苦い経験をしました。そのような経験を生かし、デザインの段階から製造までを見据えて設計をするため、無理のないバランスの取れた家具を作ることができます。また、キッチンメーカーでの実務経験を生かし、オーダーキッチンのシンクの形状など木以外の部材もご要望に応じて設計させて頂いております。

 

オーダー+αの価値を考える

オーダー家具の場合はお客様からサイズや木の種類、お部屋の雰囲気などの要望をお聞きし、ゼロから設計させて頂きます。製作前に可能な場合は採寸をさせて頂き、お宅にぴったり合う家具を作ることができます。お客様の要望答えることに加え、+αの価値を考え、心から満足していただけるものを製作したいと常々考えております。

 

安心メンテンナンス

仮に大きな傷がついてしまった場合でも無垢の木の場合は削り直すことで新品同様に戻すことができます。当店ではメンテナンスできるように可能な限り分解や修理可能な設計しています。年月が経ったあとでも責任を持ってメンテナンスをさせて頂きます。

 

アトリエ

 

所在地

〒489-0829  愛知県瀬戸市西郷町39

MAP

代表者

竹本 剛

<経歴>

1983年 愛知県生まれ。
2007年 金沢美術工芸大学・製品デザイン専攻学士課程修了。
2007年 キッチンメーカー勤務。
2010年 岐阜県立木工芸術スクール入学。
2011年 木工房玄徳を設立。

2017年 トリックフォアトリートと商号を変更。

代表者の思い

私は大学を卒業し、デザイナーとしてキッチンメーカーに就職しました。見た目を華やかにするためにプラスチックにおしゃれな柄や本物にそっくりな木目をプリントした「フェイク〇〇」のキッチン部材をたくさんデザインしました。次第にこのようなプリント家具をデザインすることに疑問を感じ始めて、休みの日に無垢材を使った家具作りを始めました。あるときに知り合いから依頼されて小さな棚を作ることになりました。出来上がった棚を持っていくとその友人は大変喜んでくれて、何故かこちらまで嬉しくなってしまいました。事務所でパソコンと向き合ってデスクワークをするデザイナーの仕事では得ることのできない新鮮な体験でした。
家具作りを生業にしようと心に決めた私は会社をやめ、飛騨高山の家具学校で木のこと、カンナやノミなどの道具の使いかたなどを勉強しました。卒業後、愛知県瀬戸市に小さな工房を構えることができました。開業して数年は 生活するだけでもたいへん苦労をしました。「自分が理想とする家具」を考えては作る日々でした。
そんな私にも妻ができ、子ができました。その時に私は一つのことに気づいたのです。 私が作りたい家具と家族が必要とする家具は同じではないということ。 それまで私は自身の信念に従い「見た目のよさ」を最優先した「一人称(私)」の 家具を作っていました。しかし家庭では小さな子どもが角が尖っていると怪我の原因になることもあります。家庭に使う家具はおしゃれ、かっこいいよりも安心感を与えるものがよいと気づいたのです。私の家具は次第に丸みを帯びて柔らかいカタチへと変化していきました。時代や場所は変わっても一緒に暮らせる家具、、、今の私はそんなコトを思いながら 日々コツコツと家具を作っています。